給湯温度は、夏は最高約60℃まで、冬でも約30℃以上(快晴日・東京)。冬の曇天日の場合でも、多少の追いだきをするだけなので、燃料費はずいぶん節約できます。下の図は、晴天日の午後3時における貯湯槽内平均温度のめやすです。
(上記グラフは、過去の日射量・平均市水温度・平均外気温度から求めた計算値です)
図のような装置のA部を加熱すると、A部の水温が上がり、密度が小さくなった水が管内を上昇し、タンク内に流入します。一方、B部の水温はA部よりも低温であるため、A部とB部との間に密度差が生じ、B部の水は降下します。このように、密度差の原理により、水は動力を使用しなくても循環が行われ、タンク内の温度はある一定水温まで上がり続けます。
(1)下部採湯またはロット配管 (下図参照) | (2)上部採湯またはオーバーフロー配管 (下図参照) | |
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給湯方法 | 温水器で暖まった湯を給水バルブを閉めて下側から必要な分だけ採る方法。 | 温水器の下部から水を入れ、上部の温かい湯を必要な分だけ押し出す方法。 |
特長 | 落差で湯を取り出すため、断水・低水圧時でも湯が取れます。 最初はぬるく、だんだん熱くなります。 オーバーフロー採湯より(出湯圧力〉が強くなるので、エアーロックの影響は少なくなります。 |
熱い湯から順に使えます。棟越え配管ができます。 |
用途 | ふろに最適です。短時間で給湯できます。 | 給湯機と組合わせて使う時に適しています。 |
〔参考〕棟越え配管
ロット配管が「給水を止めて、温水器で暖まった湯を1回毎に空にして取り出す方法」であるのに対して、オーバーフロー配管は、「満水の貯湯タンクに給水しながら、暖かい湯を取り出す方法」です。
オーバーフロー配管では、南側の屋根で集熱した湯を、棟越え配管で北側の浴室へ楽に給湯できる方法でもあります。