コロナストーリーコロナの商品開発の歴史を一部ご紹介します。

より優れたコンロを独自のアイデアで

1904年(明治37)コロナの創業者である内田鐵衛は、現在の三条市に生まれました。東京電機学校(現在の東京電機大学)で学び、20歳の時には逓信省電気事業・主任技術者の資格を取得。その技術と知識を生かすべく富山電気(現北陸電力)へ入社しましたが、入社後4年程で、父に呼び戻され家業であるガソリンコンロの販売を手伝うようになりました。

家業は順調に進み、販売や修理を通して、燃焼効率や操作性などコンロの様々な改良点を発見した内田鐵衛は、徐々に自分のアイデアを活かしたコンロを自らの手で作り上げたいという思いを強めていきました。そして1931年(昭和6)内田鐵衛はオリジナルコンロの研究をスタート。寝食を忘れて研究に没頭した結果、2年後の1933年(昭和8)ついに、軽油を燃料とした「加圧式液体燃料コンロ」の開発に成功。
特許2件、実用新案1件という特許権を取得しました。その後さらに実用化に向けての開発を進め、実用化の目処が立った1935年(昭和10)に『コロナ』の商標を登録。

1937年(昭和12)自宅裏に10坪ほどの工場を建て、石油コンロの製造販売を開始しました。
これが、今に続くコロナの創業となりました。

日本の暖房の歴史を変えたコロナのストーブ

「コロナ」ブランドで発売された石油コンロは予想を上回る好評ぶりで、「石油コンロの内田製作所」は全国的にその知名度を高めていきました。
しかし1937年(昭和12)の開戦とともに戦乱期に突入した環境の中で、コロナは軍需品の下請け生産を余儀なくされていました。


加圧式石油コンロ

戦後、混乱のおさまりはじめた1950年(昭和25)内田鐵衛は、再び石油コンロの本格的な生産に乗り出し、組織も株式会社内田製作所に改組。社長に就任しました。その後、幾多の危機を乗り越えて研究を重ね、1952年(昭和27)に戦後初の「加圧式石油コンロ」の開発に成功し発売。この商品を経営の柱として、さらに新しい道へと進む基盤を固めました。 

コンロの開発で目覚しい成果をあげていった内田鐵衛は、石油コンロのトップメーカーの地位を築くと、次なる開発テーマとして石油ストーブを掲げ、研究を進めていきました。コンロで培った燃焼技術を基盤に開発を進めていった結果、省燃料、無臭気、強火力、簡単操作を実現したストーブの開発に成功。1955年(昭和30)従来の暖房の認識を一変させる「加圧式石油ストーブ」を発売しました。これはわが国初の石油ストーブです。


加圧式石油ストーブ

現在のコロナを大河に例えればこの一号機は山奥の深緑の葉から落ちた朝露の最初の一滴と言えるかもしれません。やがて半世紀をこえて発展し続けるコロナの尊い源だったのです。しかしこの一号機に最初からこの機能が備わっていたわけではありません。

「どうすればコンロで蓄積したガス化技術を応用できるのか?」
「どうすれば効率的に燃焼させられるか?」
「どんなデザインがお客様に喜ばれるのだろう?」
「どうすれば火力をもっと強くできるのか?」
「どうすれば安全で使いやすくなるのか?」
「コストダウンするためにはどこをどうすればいいのか?」

こういった数多くの疑問の繰り返しと努力、社員一人ひとりの想像力とアイデアがそれまでなしえなかった石油ストーブ一号機を完成させたのです。この商品は巧みな宣伝も功を奏し、大ヒットを記録しました。日本の暖房を変えたともいわれるこの商品の登場により、石油ストーブは第一期黄金期を迎えました。